ライトノベル

推定少女 (ファミ通文庫)

推定少女 (ファミ通文庫)



部屋でごろごろしながら読み終わった。
性懲りも無く駄文を書きます。
ネタバレ回避能力は50パーセント以下です注意。






今月号のダ・ヴィンチの特集が「ライトノベル読者はバカなのか?」という一部の人には大変反応のヨロシイものだったので一部の人にモロヒットな自分は手にとってしまった。さとう珠緒もう、キショい!といい、今月のダ・ヴィンチは煽っている。で釣られているオレ。ああ、8月はコミケがあるからそれでかなぁ・・。


という話はともかくそこに桜庭一樹のインタビューがあって

軽くても深く。文体を強く意識してます。


とあり、ちょっと引かれて買いました。

お話は公式サイトによるとこう。

十五歳の逃亡犯、少女Aこと巣籠カナと、ダストシュートの中で裸で凍りつく青い瞳の美少女。裏山に落ちた宇宙船の噂と、令嬢の誘拐事件。すべての謎を解く鍵は“シンジケート”……。オフビートなオリジナル新作です。


実際読み終わるとこの紹介はちょっとハイプ!
とは言わないけど少し説明不足な気がする。
実はこの小説の中では謎解きも宇宙船も背景に過ぎません。
あるのは10代の少女のココロの逃避行です。


読みすすめつつひっかかったのはオタ設定がどんどん投入されて
いくさなか(拳銃を持つ美少女とかその他)、妙にリアルな
男性に対する視線が差し挟まれているところ。
エロエロ親父な義父、電脳戦士に、あやしい評論家などなど
なんだか突き刺さる。
それと主人公の語りがのんびりしてるのに対して
背景描写はしっかりしていてとても面白い効果を挙げているんですよね。


ゲームのライターもやっていたからかどうかは
分からないけどオチもすんなりと気持ちよくおさまった
ような(緑色の液体出たあたりから予想ついてしまったけど)。


ただ文体の深さっていう点で言うと期待したほどでは無かった。
自分としては(あんまり比較対照が無いですけど)
角田光代さんみたいな少し胃が痛くなるようなのを求めていたので。


読む人とタイミングはあんまり限定しないような
気がします。ただし、ぽわーんとしたイメージは絶対ダメ!
オレはハードな読み物が好き!という人は手に取らない方が良いかも。
硬派なミステリー好きの人とか?
電車の行き帰り、プラス帰宅してからの一時間くらいで読めるくらいの
ボリュームでした。


ラノベ血中濃度が高い人、映像の脳内補完能力高めな方、オススメ。
イラスト担当の高野音彦さんの絵で惹かれた方は買いです。
というかあの絵に惹かれたなら世界観にもすんなり入り込めそう。
ライトノベルでは本当に絵が大切なんだなぁと。


余談ですけどフィールドワークと連呼する評論家って
社会学者の宮台真司さんに思えて仕方なかったんですけど。
それはボクだけですかね。


いや、宮台さんが実際にああいう人だとは思ってませんけどね。