順列都市

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。その“コピー”たちに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われた…電脳空間の驚異と無限の可能性を描く、キャンベル記念賞、ディトマー賞受賞作。
Amazon.co.jp: 順列都市〈上〉: 本: グレッグ イーガン,Greg Egan,山岸 真

読了。どこから切り出したら良いのかも分からないんだけど、とりあえずネタバレしまくりなんで読んで無い人は絶対この先は見てはダメ。あと大した事は打ってないし短いんでスルー推奨っぽい。
もちろんオートヴァースのルールとは違う新しい理論がランバート人によって見出されつつあることがダラムによって示唆された時点でニヤリとはなった。ああやっと来たか!待ってたぜイーガン!ここだったんだな?ここがお前のセンスオブワンダーだな?よしよし、さぁこれから俺たちはどう壊れるんだ?教えてくれ!ってなった。うん確かに。

だがより即物的な反応としては順列都市いいなー僕も減速してコピーになりたいよーだった。何年でも本が読めて、何年でも同じ事が出来て、自分の感情は選択次第でアップにもダウンにも調整出来る世界。これを壊してまでイーガンが証明しようとしたのは、何なのかがまだ僕には良く分からなかった。あとマリアの気の向き方がころころ変わるのは単純にどうよ。見捨てたと思ったらこの先ずっと一緒にいましょうとか。

あとで追記出来たらいいな…。あと、感想としては古いと思うけど風野春樹さんの書評が残っていたのでここにだしておく。

グレッグ・イーガン順列都市』(ハヤカワ文庫SF)読了。『宇宙消失』同様、むちゃくちゃ極まりないアイディアを力技で読ませてしまう作品。実のところ、小説としては構成がぐちゃぐちゃだし人物描写も今一つなのだが(なんでここであの二人が寝ちゃうの、とか)、とにかく奇想の連打で押しとおす作風には惚れました。意識のコピーというSFではありふれたアイディアをとことんまで極めた前半、「塵理論」なる超絶理論を展開させる後半ともにSFの醍醐味を味わえる。
 しかし、いくら考えてもこの「塵理論」ってやつは論理の飛躍が多くてどうも怪しいと思うんだがなあ。それにTVCとオートヴァースという全然基本法則の違うものが並行して存在しているっていうのも納得がいかないし……。最後まで読んでも、なんとなく釈然としないものが残るのも『宇宙消失』と同様なんだけど、まあ、おもしろいから許す。
読冊日記99年11月中旬

面白いから許す。

あと長門有希順列都市を読んでたらしいというこの言い方はアレ過ぎるな。
CAXの日記 - 長門有希の100冊