最近iPodを買いなおして色々な音楽を聴いていたが、最近は音楽に飽きてきて(耳が痛くなったり、耳鳴りがするせいもあって)ラジオをダウンロードしてiPodに入れたりしている。それでやっぱりはてなダイアラーなので、鈴木謙介が司会をやっている番組とか聴いているわけだけど、この前東浩紀がゲストに呼ばれていた「現代の現代思想」という回があった。色々と面白いトピックがあって面白かったが、東浩紀の来歴を大雑把にまとめると大学2年生の時から繋がりのあった「批評空間」ライン(柄谷行人とかそのへんのえらい人達とのパイプ)と、インターネットのニフティで知り合った「サブカル系ライン」(竹熊健太郎)とかそのへんの人達)が2000年代で一緒になったという話。また、現代思想とオタクが自分の中で一緒になっているはただの偶然だとか、勝間和代(ビジネス系?)と合流する現代思想が出てくる可能性もあるよね、とか色々。その後、過去の放送とか漁っていて坪内祐三菊池成孔も聴いた。相撲の話は全然分からなかったんだけど、菊池成孔が去年の秋葉原での事件について語っていたところが中々興味深かった。端折って言うと、下記のようなかんじ。

  • 今の日本は格差が拡大している
  • それは経済格差だけではない
  • 加藤容疑者が陥ったのは経済格差+見た目格差
  • 菊池の言葉を借りるなら「マンガに描けない顔格差」
  • 現代日本人はマンガに出てくるような外見に限りなく近似してきている(何か、放送では昔はマンガを実写化すると似て無さ過ぎて笑ってしまったけど、今はそうでもない、という話だったっけ)。
  • でも実際にはマンガに描けない顔の人もいる、加藤もその一人。
  • 加藤は「マンガに描ける顔」に価値を置いたが、自分はそうでない事に気づいて絶望。そして事件発生。

という。加藤容疑者がオタクで「マンガに描ける顔」にプライオリティを置いていたかどうかは謎なので、菊池の仮定は少しへんだなと思ったけど、でも、「マンガに描ける顔」という価値観なり見方は実感がある見立てだと思った。