ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破を見ました。ほとんど予備知識無しに見に言ったので、情報量が多くて目に頭の理解が追いつかなかったが、久しぶりにアニメが面白いと思える作品だったと思う。

追記

当日の様子など追記。見たのは新宿のミラノ座で、13時の回だった。12時にアルタ近くで人と待ち合わせて入る予定だったのが、寝坊して12時20分くらいに着く。コマ劇付近に行くと開始30分前にちらほらそれらしい人達がいるなーという感じ、でも予想した程じゃないなと思った。「ヱヴァンゲリヲン、13時の回一枚下さい」と言うのに必要な奇跡の価値、という意味不明な文章が脳内に流れる。
 ところが、ミラノ座に入り劇場の右翼部分と左翼部分を確認したところ既に結構人がいた。でも座るのにそんなに苦は無くて、サイドは結構空いていたくらい。劇場内にあるハンバーガー屋(モスバーガー?)がエヴァ仕様になっていたけど、劇場にはチケ代とウーロン代パンフレット代でしか貢献せず。13時半くらいに本編が始まって、15時ちょい過ぎに文字通り閉幕して終了。次の回はもっと並んでいて、遅い時間になる程混むらしい事を学ぶ。もう一度見たいので朝一で行こう。

追記2

本編の感想。見るまで「もう旧作エヴァでオレのエヴァは終わってる!」という気持ちでいたが、ヱヴァを見終わった直後は「お、面白い…」という感じになり、見終わって少し時間が経つと「面白いが…でも…」(今ココ)的な心持です。気持ち悪い。

旧作エヴァを強制終了してしまう感覚というのは、つまりエヴァを見ている時の身の回りの事とがが再度読み込みされ起動してしまうので、それがいやだ、という事で、それはつまり作品としての純粋な価値としてはあんまり関係無いかもしれない。純粋に作品として、というところであれば、僕は庵野秀明にアニメ職人としての彼というより、シンジによって表される一種の血迷った人間像に魅力を感じて多分今日に至っているので、式日とかキューティーハニーとかですら、作品としてイトオシイ、そう感じられます。それは、つまりイヤなものはイヤだと、どれだけ世間的な価値観からずれようが、言い切ってしまうある種の傲慢な作家であると言えます。アニメはキライとか言ってしまうとことか含め。また、そこに説教めいた自己正当化を持ち込まないというスタイルが、僕が最も共感出来るポイント、エヴァのそれであったわけです。シンジは自己正当化しない。故にあの作品があんなところに行ってしまった最大の原因だと思うし、僕がエヴァから受けた最大のイニシエーションはそこ。気持ち悪い。

勿論、当時は人によってエヴァが色々な価値を持っていたり、また反発したりけなしたりする人もいて、相当頭が混乱しました。当然僕が良いと思うエヴァのポイントは人によっては一番エヴァという作品の中でダメな部分だったりするので、そのへんも未だに難しいです。まぁ色々あったということで。
また、エヴァが社会現象と呼ばれるまでになって一番混乱してたのは、引き篭もってウダウダ見ていた僕のような人だと思うのですが、多分世間で認知されてるエヴァと自分が認知してるそれとの間に変なシンクロニシティが起きてしまったような誤解があって、そこで変な視野狭窄さが自分にインストールされてしまった!みたいなところもあった。そういう状況では、自分の中にあるエヴァ=みんなのエヴァとなってしまい、そこからの微妙な差分が人なり自分なりを苛立たせるトリガーとなってしまう。映画版を見終わって、色々な人と話なかで感じた一番のこと。気持ち悪い。

でも、同時に旧作エヴァの劇場版のパンフで鶴巻監督が語っていた事ですが、いつまでもエヴァエヴァって言ってないで次のところ行こうと言っていて、僕もそうだなぁと思ったので、その「そうだなぁ」と思うのには相当時間が必要だったけど、個人的にはエヴァを一つの通過点として捉える事は一応出来たような気がする、多分。

今回のヱヴァ序と破については、正直始まる前からイヤだなと思った!言ってしまった!でも、やっぱりエヴァを超える完全新作を庵野秀明にやって欲しいと思っていたので、リビルドだろうが何だろうが忸怩たる思いを感じたのは分かって欲しい!せめて同世代には!気持ち悪くても!

でも、まぁ何のかんの良いながら楽しめました今回のヱヴァも。並列的に比較するなら、このところデジタルを塗り以外の側面で仕様されたアニメで良いなと思ったのが「時をかける少女」くらいしかなく、共通のネタとして語れるくらいの強さがあるアニメってあんまり無かったところに、今回のヱヴァは、ロボットそのものも殆どCGで綺麗に描出されていて、それがぬらぬら動いてるところとかに感動したし、また、都市のCG化も徹底されていて、兵装ビルや集光ビル(のようなもの?)等が動いたり、過剰なまでの描き込みが随所に行われていて、結果としてエヴァの巨大さ・重厚さが強調されていたり等など。キャラクターについては…作画陣はそれほど変わってないなぁと思いつつ平松貞史さんが描いてあるところとかやはり拾ってしまったり(主にアスカパート)。細かなポイントを探すのはもう身体的に染み付いているんだと改めて自覚した。

また、ここからは結構客観的な感想なのだけど音、キャラクターという側面で今回は庵野+鶴巻2名の過去作品からの雑多な要素を織り込むのが、興味深かった。

疲れてきたのでまた今度。