最近読んだもの。または読んでいるもの。

シャングリ・ラようやく上巻終わりそう。長かった。炭素指数の操作による世界経済パニックあたりからどこ読んでるところが分からなくなった。先行きが良く分からないのだが、タルシャンが電脳ハックされたただの抜け殻だったというオチを強く期待したい。オン・ザ・ロードはまだ読み終わりません。このペースだと今年中に読み終わる気がしない。佐々木敦「ニッポンの思想」について。買ったのが8月中旬くらいで、昨日池袋リブロに行ったらまだ平積みだったから、以外とみんなこういうのに関心あるんだなぁと思った。この本自体は何故東浩紀は一人勝ちなのか、という事について書いてあるのだけれど、僕はこれは批評という業界に限った話ではなくて、普通に今身の周りで起きているような感じがした。つまりゲームのルールを作れる人だけが上昇出来る、そうじゃない人は他人のルールに乗るか降りるかの意思決定を絶えず迫られるという。東浩紀本人の話に戻ると、彼は対談であれ文章であれ彼自身の価値判断を求められると常に「端的な事実として○○は無理です」というアンサーを行うのが恒例だけど、佐々木敦の本を読んだ後だと、彼はゲームのルールを守るためにそうした彼の価値判断を退けているようにも見えて、それが発見と言えば発見だった。彼の言う端的な事実とは彼が設定するゲームのルールなので、ルールについての価値判断を行う事には何の意味も無い、という認識なんだと思った。

アンダーザローズについて。アンダーザローズを見るに当たっての心持というのは一種独特なものがある。それは火曜サスペンス劇場における俳優の演技の巧拙について考えるような感じであり、大河ドラマにおける衣装や照明の技巧に目を見張る、というレベルと近い。僕はこういう絵が好きな一方で恐らくこの作品を十分に味わいつくしてはいない自分がいることを多少は理解する。多分この作品をもっと十二分に味わうにはもっと別の文脈が必要なんだろう。それにしてもこの話、どんどんミス・ブレナンが酷い目にあっていきますね。そこをある程度楽しめないとキツイんだろうか。あとウィリアムって一体何歳なんだ。

放浪息子について。にとりんが女装して学校に行った後の余波みたいなところが、いつものタッチで淡々と描かれるのだが、彼がそうした事に対する各々のアングルというのがひたすらに刺さる。ネタだと思ったらマジだったことに対しての戸惑う人、マジだと分かっていたけどそこまでやってしまったことについて端的に引いてしまう人。主に千葉さんのセリフ等はいいですね、冷静で。そういうスタンスをキャラに与えられる、というのが光ってるなぁと思った。前の巻でちーちゃんが男が女装するのはハードル高いよね、というセリフをにとりんに対してするわけですが、そういうキャラの裏側にも丁寧に手を入れていくところにぐっとくるんだなぁと思いました。

けいおん!について。4コマでもふとももに冷えたギターが当たって冷たい!みたいなのがあって、これは良い足フェチマンガなんだなぁと思った。また、実はマンガだと音楽がアニメ以上に放置されているという事実。文化祭にしても梓の前での演奏についても演奏に至る前置きとその後がマンガけいおん!におけるキモになっており、音楽をどうマンガで表現するかについての特別な焦点というのは、ここには全然無い。これはこれで面白い。放課後ティータイムについて描いたのが、マンガ版「けいおん!」という理解。