斎藤環の「関係する女所有する男」を読んだ。普通。女性は関係性への欲望を志向し、男性は所有への欲望を志向する、という話。第一章と第四章は面白かった。ジェンダーの規定要因が世間で考えられているより複雑であるところとか、女性と男性の精神疾患の差異など。それ以外はあんまりピンとこない。多分バックラッシュ批判のところと精神疾患のところらへんが無駄に詳しい分、その他が薄味になってしまったように見えるからだと思う。これは構成の問題からなのか、それとも僕にあんまり興味が無いからか。
特に第6章からは身の回りの傍証からくる加速っぷりがすげー。そりゃそうかもしれないけど、前半戦までのジェンダーセンシティブはどこいっちまったんだ。

全然関係無いけど新宿駅構内のブックエクスプレスは佐々木敦ニッポンの思想といいこの本といい、こういう本を良く置いてくれて助かります。