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敵は海賊・海賊版 (ハヤカワ文庫 JA 178)

神林長平作品は戦闘妖精雪風とグッドラック（略）雪風しか読んだ事が無かったのでこれで３冊目。ざっと読んだ印象はスターウォーズ的な風景だなとしか。すいませんボキャブラリ少ないです。SFって脳内補完が重要だと思うのだけれど、そういうイメージってどこから調達するんだろう。少なくとも小説の表紙になってるネコのイラストからは無理っぽいぞ。ここにはイメージが出ないけれどあまのよしたか（天野喜孝）がイラスト担当。そういえば子供向けのアラビアンナイトでも表紙をやっていたような。どこの会社のだっけ。

簡単なあらすじ。

砂漠の町サベイジのバー＜軍神＞で宇宙海賊ヨウメイ・シャロム・ツザッキィはフィラール星の女官長シャルファフィンから、火星で行方不明になった王女のフィラール・フィロミーナⅣの捜索を依頼される。同じ頃、サベイジの電力受信所で広域宇宙警察の海賊課刑事ラテルとアプロは光から突然現れた赤ん坊、メイシアを拾う事になるが・・・・。

雪風も一筋縄ではいかないなぁとは思っていたんですがこの作品もそうでした。まずひっかかるのは、「著述支援用人工知能」が物語を出力している、という設定です。人間が書いているのではない、というところに意味を読むならこの作品はメタな場所に置くことになりますね。それをどう読めば良いのか。更に、一見単純なスペースオペラかと思いきや、もう一つの世界の出現、もう一人のラテル、アプロ、ヨウメイが入り組んで登場して・・となかなか込み入った展開に。エンターテイメントとメタ視点が絶えず交錯し、文字どうりの小宇宙を作り出しているので、はいお終い、あー面白かった、という系統の作品ではありませんでした・・・。折角進めてくれた人には何だか申し訳ない書き方になってしまってすいません。参考リンクなどを張ってお茶を濁しておきます。

参考リンク

神林地帯
神林作品に関するデータベース。ほぼ全ての作品を網羅していて有難い。
森下一仁のＳＦガイド目次
こういうガイドも助かります。SF作家紹介欄などが充実。