ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]

ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]

ストーリー

「この翼さえいらない。貴女に触れ、愛せるのなら…」
ベルリンの街を傍観する天使達。彼らは地上の人々の心の声に耳を傾け、人間世界の物語や歴史を見守り続けてきた。そっと人の傍に寄り添う彼らの姿は、なぜか子供にしか見えない。天使ダミエルは日々人間の様子や自然の在り方を観察するにつれ、人間界に身を置きたい、そこで"生きて"みたいと考えるようになっていた。そんな時サーカスショーにて美しく空中ブランコで舞うマリオンに出逢う。彼女が独り部屋で呟く「愛したい…」という言葉を聞き、マリオンに強く惹かれるダミエル。彼はやがて彼女への愛に生きたいと決心する。人間に恋をするという事は、天使の"死"を意味するのに…。
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観想
パリ・テキサス」は寝てしまいましたが、これは寝る暇を与えませんでした。冒頭から始まる空撮、心中の囁き声、延々と続くモノローグ。特に何か事件がおきるわけではないけれど、ずっと画面に集中してしまいます。

前半は、人間を見つめる天使達からみたベルリンの模様が淡々と描写されていきます。不和を抱える家族、地下鉄で人生に絶望するサラリーマン、図書館で勉強に没頭する学生(?)、そうした人々を陰に陽に見守り、時によって力を貸す天使から見る世界の色はモノクロのみ。後半、ダミエルが人間に代わり、マリオンに会いに行くまでの模様はカラー。冷戦が終わる直前のベルリンを、特別な象徴を捉える事なく映像にしていると思われます。

んーでも、これも人を選ぶような…。というか、クラシック音楽と同じで最終的にヨーロッパの人以外が見て分かる映画、ではないんだろうな…。勿論映画について僕が全くの無知だから、というのもあるんですけどストーリーはいささか唐突だし、メタファーがきつすぎてハイコンテクストな作品ではないか…と。それは貴方が馬鹿だからですよ、と蓮實重彦さんの声が聞こえてきそうです…。以上。