カンソウ
見るのが伸び伸びになっていたパトレイバーOVAを見た。この巻では「2課の一番長い日・前編」、と同タイトルの後編、以降のOVAに続く一本が収録されている。「2課〜」は劇場版パトレイバー2と似た筋書きになっていて、陸上自衛隊のある部隊が都内で武装決起するという話。最後(?)の一話はいつもの二課の話だから説明は割愛します。

OVAに良くあることとして展開が激しく唐突だった。一巻がドタバタコメディ警察ロボットアニメだったのに、最後の二話だけシリアスなポリティクス警察ロボットアニメになっている。パトレイバーという作品の世界観が好きで、マンガや映画を通してストーリーのピースを集めたいという特異な趣味を抱いていない限り、見ると驚くと思う。

劇場版と違うのは、クーデターの契機がLIMPACと呼ばれる日米合同軍事演習の合間を縫ったものであったこと、洋上のシージャックされたフェリーに積まれた巡航ミサイルをもって首都及び政府を恫喝したとこ。またクーデーターの首謀者が後藤隊長の知り合いであったところなどなど。劇場版の場合は、航空自衛隊の航空機による誤爆から一連のテロが始まり、クーデターのリーダーは特車一課の南雲隊長の元愛人になっている。

どうしても劇場版パトレイバー2が一番好きな自分としてはそれと比較するしかないんですが、こっちはハイクォリティな「動く」アニメに仕上がってました。後編で大田と進士とクランシーがレイバーを強奪するシーンがあるのですが、そこでのカーチェイスシーンは画の密度としても濃いものだったし、車のパーツが吹っ飛ぶシーンなども丁寧に描かれていて、まだ押井守がまともにアニメをしていたころが偲ばれます。

ストーリーとしても、自衛隊が決起するに至った背景が少し見えづらいのを除けば、きちんと形になっています。終わりはこれまた唐突ですが。だからパトレイバーという世界観が(以下略)。

華はやはり南雲隊長。桜田門において、決起した自衛隊と睨み合いを続ける警察のレイバー隊を、警視庁のエライ人に引かせるように命令された時に毅然と反論する様子は、劇場版より感情に振り回されているみたいでそれが良かったですね。というか、普通の南雲隊長ならもう少し合理的判断が働いてるんではないかとも…。絵も気合が入ってました。榊原良子の声がつくづくカッコイイ。

今の日本に笠原弘子と言ってどのくらいの人が反応するのかは知らないですが、その人とメカデザイナー出渕裕が最後の特典映像で特車2課のコスプレしててひっくりかえりました。何かのバツゲームだったのでしょうか。後ろには特車2課テイストに仕上げられた本田のトゥディらしき車が。

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機動警察パトレイバー - Wikipedia