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タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))
- 作者: 高畑京一郎,衣谷遊
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
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それにしてもタイム・リープと恋愛ってどうして相性が良いのだろうか。「時をかける少女」も途中までどっちの男を選ぶのかどーだらこーだらという話であり、「サマー/タイム/トラベラー」も男女がうだうだする話であり、「涼宮ハルヒの憂鬱」にしても(以下略)「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下略)。
「サマー/タイム/トラベラー」には便利な表が付いていて、タイム・リープ作品群を過去改変不可↑可↓と悔恨欲←俯瞰欲→のマトリクス上に並べてある。これによると、タイム・リープは過去改変不可の度数がわずかながらあり、欲望の座標では中間に位置している。物語の特性としては、「非改変型:1」に属し、「パラドックスの矛盾を回避する話:辻褄をあわせる論理的快楽」(by新城カズマ)タイプに分類出来る。便利な本だなこれは。
だがこれでも恋愛とタイム・リープの関連性については不十分だが、こういうネタにかじり付くと1人SF神学論争が脳内で始まりそうなのでやめる。まぁ確かにまずいもんな、過去が変わってしまって何が起きるのか分からないのにぼーっとそこらに立って、ただタイム・リープが起きた事を受け入れるだけで終わってしまっては。やはりあるべき日常と未来に回帰するために何かしなくてはな。論理的思考と恋愛を両立させる方法論としてタイム・リープの概念を学習した感じだった。面白かったというのとはまた違う気がするけど。ラノベ読んだぜ脳内補完したぜ!というアドレナリンも出なかった。
自分としては、変化を起こそうとして、結局歴史に変化無しだった戦国自衛隊みたいな破滅型のタイム・リープものの方が割りと好きだ。新城カズマ基準だと、俯瞰タイプで過去改変可能だけど「大局では大差ありませんでしたごめんなさい」、というやつ。あれも自衛隊がいる時点で過去が変わってるのでどうにかしなきゃいけないはずなんだけど何もしてなかったなぁ。