タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)

タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)

大分前に買ってようやく読んだ。最近本が読めなくて悲しい。

普段戒めている事として、作品の感想と作品のファンの印象(しばしば批判)を混同したくないというのがあるのだけど、これについてはついそうしたくなってしまうというか。やらないけど。

ARIA天野こずえが推薦文を書いていたのであの系統のアレかなと思ったらやはりアレで。ARIAより分かり易いのは、キャラの精神年齢がそのまま空間的な広がりに反映されてて、加えて外側とのイマジナリーを感じさせる程度には違和感が描かれているというところか。ARIAは完全に環境ビデオを見るのと似たような感覚に陥ってしまうので、もう何も言うことは無くなってしまうけども。

決断主義が吹き荒れる中、吹き飛ばされた塹壕の形についてあーだこーだ言っても今さら仕方ないけどこういう環境系(空気系も含むのかな?)の作品についてはもっと色々と分析があって良いのではないかなぁ。全力で他人からの言葉を拒否しているようでいて、アイロニーに徹しているわけでもない。ただどこか、多幸症で異様に脆い空間が漠然と広がっている作品群。またはその逆で異様に脆い(以下略)。

読んでた人が「キミはウザイと言うと思う」という話をしてた。確かに一言で切る人も多そうだけど今回はそうは思わず。ヌルイなぁ我ながら。どちらにしても、この類の作品は100万語使って説明するか一言で片付けるかの二択なので、テキストに起こすには向かない気がしたが、肉体的につかれきっているで合間に読むには良い選択肢だった。

ああ。あと、こういうマンガを読むと如何にテキスト外の情報をテキストに変換する事が不毛かを痛感する。結局マンガの批評はマンガをもってなされるべき。小説しかり映画しかり。

眠い。