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- 作者: 相田裕
- 出版社/メーカー: 角川HD(アスキー・メディアワークス)
- 発売日: 2006/07/27
- メディア: コミック
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担当官アレッサンドロとの関係にも慣れ、社会福祉公社に馴染んでいく新義体ペトルーシュカ。こもりがちだったクラエスやトリエラも彼女との接触によって変化かが訪れる・・・。クラエスとぺトラが協力して五共和国派のメンバーを逮捕する「約束」、クローチェ事件の担当検事グエルフィをトリエラとぺトラが護衛するエピソードをヒルシャーとラシェルとの関係も絡めて描いた「The sheep and the goats」「勇者は恐れず」など五話(第33話〜第37話)を収録。
かんそう
1巻と比べると女性キャラクターの等身がどんどんあがっている気がする。あのころが中学生くらいだとすると、今は高校生みたいな。多分ペトルーシュカとバランスを取らなければいけないのでこうなったんだろうなと思いますけど、具体的な時系列が殆ど明かされないのでもしかすると4年くらいは物語の中で経っていたりするんでしょうか?
話は結構進んでいる気がするんですけど、結局今回のペトルーシュカとアレッサンドロの会話で分かったのは、話が政治的に決着することは無いということで、それはやっぱり義体と担当官の関係をどう落とすかというところにかかってくるんだなぁというのが見えたということでもあります。まぁこの作品でカタルシスのあるラストがあったらそれはもうガンスリンガーガールという作品では無くなってしまうので良いのですが、何か改めて感じいってしまったというか。哀しいなぁ。
そうそう、「The sheep and the goats」「勇者は恐れず」という2つのエピソードでジョゼとジャンの父親であるジョバンニ・クローチェ検事暗殺事件を担当する検事を護衛する話があるのですが、この2話はストーリーとしてとてもよく出来ているなぁと思いました。ヒルシャーとラシェルの話もまぜつつ最後にはジョゼも登場して、テロの連鎖と戦うことのどうしようもなさとそれに対する人々の営みを、とても映画的に扱っているのです。ガンスリンガーガールというと作品の際立った批評性(作者が意図しているのかは知りませんが)がピックアップされているけど、こういうストーリーの妙ももっと注目されて欲しいですね。
今回はクラエスとトリエラをペトルーシュカと絡ませている関係上、アンジェリカが3コマ、ヘンリエッタが5コマ、リコは何と1コマしか出てきません。でも良いんです、髪を下ろしたトリエラがたくさん見れたので全然問題ありません。というかもっとトリエラを!
関連
イタリアにおける南北問題 - Wikipedia
7巻でぺトラとアレッサンドロが議論している南北問題について。五共和国派を北部同盟に入れ替えれば後は殆どそのままですね。
>smart
アレッサンドロが運転していた車、スマートフォーツー。絶対同じ車に乗せないのは相田裕の趣味なのでしょうか。
ペトルーシュカとは - はてな
名前の由来だけ見ると不安な未来を暗示しているようにも思えてしまいますね・・・(8月16日追記)。