レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)

レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)


あらすじ

晶と硝子が“無限回廊”の侵蝕を退けて一カ月。晶は幼馴染みの森町芹菜たちと、硝子はクラスメイトの友人たちと、それぞれ平穏な日常を送っていた。しかし、そんなある日―晶の親友である“有識分体”柿原里緒の元へ突然、“無限回廊”が直接その姿を現す。事態は、“目覚まし時計”速見殊子や“アンノウン”佐伯ネアを巻き込み、破滅へと進んでいく。生と死の間を彷徨う者から伸びた糸と、それに絡めとられていく日常。晶たちは、再び始まった侵蝕を止めることができるのか!?穏やかな日常と狂った非日常との間で揺れ動く、ほのぼの×ダークな新感覚学園アクションノベル、シリーズ第二弾。
Amazon.co.jp: レジンキャストミルク〈2〉より引用。

何か最近アマゾンの内容紹介に頼りきりで、要約作業というお勉強的側面を忘却しているな。まぁそれはさておき。

感想

前巻では硝子の親友の「記憶」を削除して日常回帰を果たした本作だが、今回は親友の「存在」そのものを無かった事にするというまたまた怒涛の展開でひっくりかえった。でも全体的に停滞気味という感じか。とりあえず親友の誰か一人が無限回廊の手に染まり、友人の誰かの「何か」が消されていくというやり切れなさはダークだけど、それにしたって新キャラである速見殊子も主人公もそれに対して執着なんてあんまり無いし(でも主人公が「日常」に対して執着を抱いている理由はチクチク殊子がいじっていく過程でじわじわ明らかになるわけだが)、それを読んでる方が意識させられる事も同様。その軽さが何だかな。その対比なのか、硝子が徐々にデジタルな物事の理解を脱していく経過をあの機械的な文章で綴っていくのは結構面白かったと思う。

あと昨今のライトノベルでオレが常々感じる独特の感性がバーッと全面に出てきてそこはそこで興味深かった。この本に即して言うなら日常が大事だと言いながら、色んな理由がありつつも結局はその形を歪め、それでもまだ日常を守ろうとする身振り?とでも言ったらいいのかな。逃げ場の無い(と思っている)セルフリファレンスの循環構造みたいなものが。

あとエロス成分が足りなかった。でも次も気になるんで読んでみよう。相変わらずイラストが綺麗で良い。

関連

レジンキャストミルク <1>
一巻についてはこんな事書いた。適当だなぁ。