まとめ
無限回廊によって連れ去られたクラスメートも無事帰還し、久しぶりの「日常」を味わう一同。しかしその「日常」もまた高校生達にとっては一つの戦場に過ぎなかった。主人公のクラスメート敷戸良司の今まで隠してきた森町芹菜に対する思い…硝子の晶を目の前にした時に感じる違和感…「りなちゃん」こと森町芹菜に対する感情を曖昧にまとめることしかできない城島晶…。日常と非日常、そのハザマでゆれる少年少女に答えは見つかるのだろうか。そしてそして学校に一風変わった双子の転校生が訪れた時、また新たな事件が…。やはり鬱だったライトノベル第5巻。

かんそう
やはり鬱だった、と同時にちょっとつっかえた5冊目。微妙均衡の上にたつ男女の三角関係が、新たな虚軸(キャスト)によってボロボロにされていく様は鬱だけど、何だけどちょっと展開のテンポが速すぎて追いつかない。クラスメートの敷戸良司が今まで森町芹菜にタメに貯めた斜め上の感情を一気に噴出させてとんでもないことになってる。でももうちょいじっくり書いても良かったんじゃあ…。普段のじれったさを読まされてるだけに、この巻の敷戸良司君のアクティブ度にちょっとした戸惑いすら感じてしまう。ストーリー的にも超絶急展開なんでもしかすると次でおしまいなのかなぁ…。

余談。一応中高生向けの本だから(?)なのかもしれないけど、硝子ちゃんが再び虚軸になったあの人にいけないことをされそうになったので「え?○○○?そりゃ鬱だぜ!」と思ったら○○どまりでした。まぁそりゃそうです。やっていいことと悪いことくらいあります。

でも硝子ちゃんがただの機械人形じゃなくてちゃんと女の子になっていく様は中々見てて楽しかったですが。最後とかもう涙ですよ。

「僕のこと…好きか?」

「…はい」

硝子は涙を拭きもせず、相変わらず唇を擦りながら答える。

「好きです。…私…マスターが…好き、です」

ヴォー。このセリフが出てくる場面がありえなさ過ぎてもうもだえまくり。りなちゃんメイン話かと見せかけて硝子メイン話です。折角表紙になったのに!今回も続きものなんで次にまとめたいです。もし次で終わりなら(終わって欲しくないですよ勿論)、次は速見殊子が表紙だと良いなぁ。

巻頭マンガはりなちゃんと晶と硝子が花火をやる話。実は硝子のはじめてはあの人で…。

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