狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

今さらでごめんなさい。私的に「職業倫理ものライトノベル」と名づけていた本作もはや三巻目。今回もお馴染みホロとロレンスのかけあいが続くわけですが、途中から急転直下で恋愛話と市場における神経戦がぐわーっとかけ上げっていくノリで良かったと思う。

今回のハイライトは今までと少し違い、「市場」の仕手戦みたいなところなんだろうけども、いくつか考えたことを書いてみる。まず、実際に中世でこういう市場取引が行われていたのかはわからないのだけど(今度調べてみよう)、僕たちが「あんな感じだろうな」、と思うくらいには今回の市場の雰囲気が出ていて(特にロレンスの焦りっぷりは少し違うが麻雀みたいな部分があった)そこが上手いなと思った。

と同時に、何かこれ、ヴァーチャルっぽいというか市場に関わる人の思惑をロレンスが目まぐるしく想像しては落胆したり、今回のキーになる商品の値段の上下動が逐一描写される様が、妙な仮想現実感で、箱庭で人々が取引に右往左往している様を上から見下ろしている印象を受けた。このシーンだけ急に現代的。

まぁ上手くまとまらないけどそんなこんなで。