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“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

ヌルめと見せかけてキツイ展開が待っている「文学少女シリーズ」三冊目。

毎回本シリーズではストーリーのネタ元となる古今の小説が登場するのだけど、前回はネタ元そのものが中々入り組んでいたせいもありちょっと乗り切れなかった。今回は、割合すっきりした筋の話をもってくる事で、ラストまで澱みなく読む事が出来た。

個人的には出るキャラがどんどんメンヘラ化していくので、たまらなく良いなぁ。登場するキャラ全員が暗い過去を持ち、折に触れて伏線が張り巡らされていく。そして、ひょんなきっかけが人にトラウマを呼び起こしてしまう無限連鎖。だけど、暗い展開になってからも上手い具合に配置されるポップな描写で読み進める事が出来るし、そこがストーリーを進める原動力にもなってる気がした。まぁ…大分かっちりと構成された作品ではあるので、ここらへんは書く側も楽しんでいるのかもしれない。

そしてやはり今回の副主人公は琴吹さんと言うことに勝手に認定。泣いたり目が潤んだり可愛いすぎる。