[rakuten:book:12002915:detail]
ホロの故郷探しの話。前半はホロとロレンスイチャイチャ、後半は滞在先の村でのゴタゴタに巻き込まれなんとか切り抜け…という感じ。

職業倫理っぽい側面は後退してしまって残念だが、物語の伏線が色々出て来た。

それと、個人的には村人の悠長な経済感覚に対する地の分でのツッコミが面白かった。今まで1から4まで読んでみて、今までロレンスは商売で負けしらずか敢えてリスクを犯すか、というパターンくらいしか無い。ロレンスは全体把握能力が高い。高すぎる。そこが件の部分でも遺憾なく発揮されている。まぁ商売をとちり続ける男が果たして主人公足りえるのかという疑問もあるけど。

あとパートナーのホロという存在が神様という設定の重要性について色々考えた。ここから妄想話だけど、例えば普通の女なら「こんなボロ馬車はやだ!」(今ならもうちょい良い車に乗りたいとかそういう)とか「もっと良い服を着たい!」とかあるんじゃないだろうか、と思うがホロのリクエストは常に食い物である。それはホロが神だから普通の欲求などないんである。ああ、誰とも共有出来ないであろう感覚。

並行して読んでいる断章のグリムでも思うが「神」という存在は便利な代物である。グリムでも「神は実在する!」というパッション溢れる書き出しから始まるのだが、いないかいるのかはっきりしているこのスタイルは実に良い。神が存在するのかしないのか絶えず堂々巡りしているようなアレよりこちらの方が余程クリアだ。

どうでも良い話としては、滞在先の村人が海賊どーのこーのという話をしていて、何となくこれはドイツとかそのへんを舞台にしてるのかなとか思った。村とか街の名前もそれ風だし。

ラノベもっと読みたいー。