断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)

断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)

間が空いたけど読んだ。ログを見たら前回読んだのはhttp://d.hatena.ne.jp/selim/20070410だった。3ヶ月も空いたのか…。

全体的には神狩屋のダークサイドを語りつつ、上巻の回収まできれいに終了。相変わらずテンポが合ってさくさく読めた。グロさは相変わらずで、想像しただけで三日は魚が食えなくなりそうだ…とか言いつつ主人公白野蒼依が読者にとっても無害キャラなので(結局あの泡禍は誰が処理したのかと言えば流れ的には彼なわけだが)、のめりこむことは無い。

ただし、今回の童話チョイスが無茶振りだった。金田一少年のの推理がスゲー適当なのに的中した時の読後感と酷似している。いくらなんでもそれは無いだろう。それとも無辜な魂の持ち主からゴミクズみたいに消されていくクリントイーストウッドライクなパッションなのかな。ミスティック・リバー的なまたはミリオンダラーベイビー的な?でももうちょい引きなり伏線があって欲しかった。勝手に作者の状況を予測してみると、「よし神狩屋死ね!」⇒「いや、そしたら街に帰ってから話が進みませんよ甲田さん!」⇒「あ!じゃあ○○氏ね!」という編集サイドとのやりとり。違うか。

最初は「最近のラノベラーがどれくらい鬱なのか?」というテーマのもと読み薦めていたのだけれど、個人的には神狩屋さんが薀蓄を語ってくれるか?に興味または期待が移りつつある。魚の宗教的意味、貝のキリスト教における位置づけ、などなど。今日から使えるワンポイント雑学みたいな部分。別に飛ばし読みするわけではないが。

あとは、まぁ今さらカヨと言われそうだけどこの作品は娯楽なんだね。グロイとか痛いとかイタイとかいいつつそこらへん好きな人が読んでるだろうし、作者も楽しんでやるとともにこつこつ書いてるしそのあたり自覚的なんだなと。

そんなとこから安心して読めます。雪乃さんはいつデレるのかと待ちわびてはや数ヶ月。今は神狩屋さんの薀蓄に期待大。ねむい。次はレジンキャストミルクを読もう。