夢と魅惑の全体主義 (文春新書)

夢と魅惑の全体主義 (文春新書)

読み終わり。全体として推論が多かった。のでイエスともノーとも言えないのだけど、建築と権力体の関係という問題設定は面白かった。参考に出来るデータはあまりない。本書の要諦は日本のファシズムについての項目だ。これを読むと我が祖国ジャパンが文化に頓着しない国なのだなと、深い深い深い感慨に囚われる。ドイツがソ連がイタリアが全体主義のドリームで国中を多いつくさんとするため、誇大妄想的な建築計画を進める中、日本だけは急速に威厳を失わせる方向に傾いてく。戦争なのだし予算をそっちに回さないという意味では日本の方が恐ろしく合理的なのだが、何かそのもっと国威発揚しなくて良いのかという。まぁ日本には空気という良い言葉があるしなーきっとそれが最大の国威発揚手段だったんだろうな。

寝よう。