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- 作者: 翅田大介,も
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 文庫
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さて、あとがき読んでSFが…みたいな話があったけどその当たりは全然分からないので文章についてしか書く事ないですが今回は完全にハルキ化してると思いました。「やれやれ」で即座に「ハルキ!」を唱えても仕方無いのですが、ヒロインとホテルに行く下りでの
どこにも行く当てのない学生が一晩を過ごすとしたら、たいていネットカフェかラブホになる。それは大宇宙の法則みたいなものだった。
とか
バスルームは広く、その壁の一方はどういうわけか鏡張りだった。このホテルにはやたらと鏡が使われている。もしかしたらこういったホテル全般がそうなのかもしれない。だとしたら鏡業者とホテル業者というのは、きっととても友好的に違いない。
みたく、端的な事実の後に続くちょっと大げさな冗談をつけくわえるというスタイルは、あからさま過ぎて気になりました。
それと、月を見上げる二人が実はここは井戸の底みたいなだね、という話もモチーフとしては大ネタ過ぎて消化不良かなと。具体的にはねじまき鳥クロニクルに出てくる軍人のおじいちゃんが井戸に入っていたという話と、世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドに出てくる主人公がマンホールに入るというエピソードを言えば足りると思うのですが、村上春樹作品において反復される「井戸」というキーワードをそのまま引っ張ってきているように思えました。
以上の事が気になってまともに読めませんでした。ラノベにリライトして女性が消えない村上作品を読んでるような感じでした。一巻が比較的好きだったのでやや残念です。おしまい。